京都はタケノコの産地
美味しい水のある処に美味しい筍あり
タケノコを掘る人たちの間で昔から言われている言葉です。
京都府の西京区や長岡京市は知る人ぞ知る京タケノコの一大産地です。
京都市内の料亭にも期間限定で美味しい筍料理のメニューが加わります。
KBS京都の番組で紹介されたタケノコ農家さんの映像が分かり易かったので、どんな感じでタケノコを育てて、それを生業にされているのか参考までにご覧下さい。
うちの家の薮について
サントリーの有名ブランドに「山崎」というウイスキーがあります。
テレビCMでも山崎蒸留所の遠景が流れたのでご存知の方もいらっしゃるかも・・
うちの家の薮はその山崎の蒸留所の水源の近くにありました。
現在は水質確保のため立ち入り禁止になり隣りの山に移りましたが・・・
この水を私の住む町では水道の蛇口から飲んでいましたが、その当時は日本一水道料金が高かったそうです。
タケノコ農家じゃないのになぜタケノコを掘るのか
私の家は、タケノコ農家ではありませんが、竹やぶを所有していた関係で一年の内の一時期だけ期間限定でタケノコで生計を立てているかのような生活をしていました。
実際のタケノコ農家さんと比べると何の手入れもしていないし、掘ったタケノコを出荷したりしてないので、自給自足で自分たちが美味しいタケノコを食べるために掘るといった感じです。
上の動画のKBS京都で紹介されたタケノコ農家さんの様な生活はできないにしろ、季節が来れば美味しいタケノコが食べたい!という方は、是非私と一緒に掘りに行きましょう!
私とタケノコの関係
さて、もうかれこれ40年以上になりますが、幼少期は毎年のように自宅所有の竹やぶに半ば強引に連れて行かれて、レジャーシートに放置されて育ったこの私が、いつの間にか自然とタケノコが掘れるようになることは別に不思議ではないのですが・・・
私自身は教えてもらってないのに何故掘れるようになったのか?疑問です。
最初は父に「見てなさい!」と言われ、掘らせてもらえずにただ見てるだけで教えてももらえませんでした。
タケノコは「ホリ」と呼ばれる専用の道具で掘ります。手前のつるはしみたいなやつ。
先端が特殊な形をしています。
ちょっと削れて丸くなってしまってますが・・・
これはタケノコがその地下茎と繋がっている部分やタケノコの根を切断しやすく加工してあるそうです。
誤って足を突くと指が飛ぶって親父がよく言ってました。
もちろん指が飛んだのは見たことないですが・・・
そのホリを初めて握らせてもらったのが小学校6年生の時だったかなぁ~
掘ってみろ!って言われて、フラフラしながら見様見真似で掘った記憶があります。
もちろん最初からうまく掘れるはずもなく、余計な力で身体をガチガチにして無理やり力で掘ろうとするので筋肉痛になってましたね。
それでも手取り足取りではなく、教える時には「見てろ!」って言います。
お陰で最高の動画を何回も目の前で見ているような、そんな教え方でしたね。
タケノコ掘りの3つの楽しみ
タケノコを掘る楽しみを3つ紹介します。
1、探す楽しみ
2、掘る楽しみ
3、食べる楽しみ
探す楽しみといっても、見つからなくて探すのを諦めるほど難しいです。
もちろんタケノコの先の部分が地上に出ていれば分かり易いのですが、タケノコは表面が地上に出ると下の写真のように日に焼けて黒くなって、えぐみも出るので地中にあるうちに掘るのがお薦めです。
かなり黒いでしょ⁉
ほとんどが土に埋まったタケノコは皮が白っぽく、先っちょも黄色っぽいのが特徴です。掘る側も傷をつけずに掘ろうとするため、1本掘るのに30分ぐらい格闘することもあります。
このタケノコは柔らかくて真っ白でした。
50センチ近く土に埋まっていたので掘るのが大変でしたね。
こういったほぼ地中にいるタケノコをどうやって探すか?
見た目では分かりにくいですが、土の中に何か隠したような膨らみがあるんです。
ポコッと土が膨らんでるような、土が盛り上がって亀裂が入っている場合もあります。
出ている先っちょを見落とさないようにしましょう。
あと探す時に、落ちている竹の枝で敷き詰められた笹の絨毯の下を覗いてみると分かり易いです。
問題です。タケノコはどこにあるでしょう?
探す時に履いて来て欲しいのは、スニーカーの汚れてもいいやつ、土で泥だらけになりますので・・・
掘る人は長靴がベスト。
なぜ探す人はスニーカーかと言うと、足の裏でタケノコを探せるからです。
地面から靴底を少しだけ浮かしてそれらしいところを左右に動かして見るんです。
靴の裏に引っ掛かりを感じたらタケノコの可能性大です。
次に、掘る楽しみにいきます。
掘るのははっきり言ってホリを使わない人にとっては、かなりの重労働です。
土に埋まっている何かを掘り起こす感覚でタケノコを掘ろうとすると土を全部除けないといけません。
ですからホリを使えない人は楽しみとしてタケノコの周りの土を除けて、徐々に出てくるタケノコの姿を見て喜んで頂ければと思います。
ホリを使って掘る人はタケノコをよく見ています。
見るというか観察をする「観る」って感じ。
地下茎からタケノコが生まれ大きくなっていきます。
ですからホリを使って地下茎とタケノコの間の繋がった部分を切断しなければ離れないのです。
少し専門的になりますが、タケノコにはお腹と背中があります。
ホリを使ってタケノコを掘る時には「てこ」の原理でタケノコを起こします。
大事なのは背中側にはホリを入れても「てこ」が利かないということ。
ムクムクッと出てくる感じです。先の動画を見て頂ければ分かると思います。
上の白いタケノコの写真で言うと丸まっている写真上側が背中、写真下側がお腹になります。人間の体と同じように考えてもらえれば分かり易いです。
掘り起こす時は必ずお腹側からホリを差し込みます。これが鉄則です。
上の動画の0.34秒辺りをご覧ください。
タケノコを掘る人は経験にもよるみたいですが、掘っている時に土の中が見えるような気がするって言います。私も同じように感じます。
もちろん、見えている訳じゃないんですが、大体の深さ(長さ)や胴回り(太さ)がわかるのです。だから簡単に掘れます。
さあ最後に食べる楽しみですが・・・
これにも鉄則があって、取って来た日に湯がくこと。
タケノコをスーパーなどで買って食べると、いつ取れたタケノコか分からない場合があります。
店頭に並ぶまでに相当な時間が経ってると思ってください。
近所に竹やぶがあって人がいれば、声を掛けて分けてもらうと新鮮なタケノコが食べれますよ。
ちょっと都会では難しいと思いますが、地方のロードサイドの露店などで「朝掘り竹の子」って看板が出てれば買ってみるのもいいと思います。
新鮮なタケノコは水が滴ってます。
口に含んで吸ってみると胡瓜みたいな水分を感じます。
掘った直後はジュルジュル音がするほどです。
最後になりますが、タケノコを掘っていていつも思うことなんですが、何も教えてくれなかった父でしたが、上手に掘れた時は「ほぉ~!上手に掘れたなぁ!最高や!」と褒めてくれました。
逆に失敗した時は「もったいない!適当に掘るな!」っていつも叱られました。
親父が亡くなって20年近く経ちますが、未だに掘るのを失敗した時に「親父に叱られる」って口からポロッと出てしまいます。
冒頭でお話した通り、私の家はタケノコ農家ではないですが、この竹やぶを今後も大切にして、出来れば楽しみながら、みんなでタケノコ掘りが続けていけるように、子どもたちにバトンを渡すことが私の願いです。
ちなみに妻は、私の母からタケノコの剥き方と茹で方を教わっているので「もう!こんなに沢山掘って来て!」って怒りながらも調理してくれています。
娘たちもタケノコを剥くのが上手になったみたいです(笑)
長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。感謝
漢仁
いつもお読み頂きありがとうございます