漢仁帳

人材育成トレーナー漢仁のブログ

いい朝礼とは?〈習わしの壁に穴を開けた話〉

習わしの壁に穴を開けてやりました。

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 習わしとは、これまで習慣になっていることを意味する言葉で、しきたり、習慣、風習などを表しています。

 

習わしとは、皆さんの周りに壁のように立ちはだかって立っているので、外の情報が遮断されやすく、壁の中では、凝り固まった考えに固執し執着してしまう傾向があります。

 

うちの会社はこうじゃなければだめなんだ!という決めつけに縛られると、身動きが取れなくなるので、文化的にも社会的にも、また、家庭や会社でも、たまに見直しが必要だといつも思っています。

 

大切にしたい習わしから無くした方がいい習わしまで色々なのがありますから・・・

 

私が穴を開けた習わしの壁というのは、創業以来、毎朝必ず行われている儀式のような「朝礼」です。

 

研修担当の社員の方に「一度うちの会社の朝礼ご覧になりませんか?」って誘って頂いたのでお邪魔したのですが、見ていてイラっとさえしてしまう悪しき習慣を引きずる朝礼だったので思わず社長の前で言ってしまいました。

 

「こんな朝礼ならやらない方がまし」って・・・



今日は皆さんの会社の朝礼を素晴らしい朝礼にする方法をお話ししますね。

 

皆さんの会社は、朝の朝礼をしていますか?

 

朝礼はないけどラジオ体操はするという会社もありますよね。

 

身体を動かすのって気持ちいいですよね。つい数時間前或いは数分前まで眠っていた脳をスムースに動き出せるようにする効果があります。

 

しかも、毎日続けることにより、加齢による身体の硬化を防いでくれます。

 

ラジオ体操はさておき、社員全員が顔を見合わせて朝礼を行う規模の会社やお店では、毎朝の朝礼に必ずと言っていいほど盛り込まれていることがあります。

 

それは・・・

① 社員の出欠確認

② 今日の予定など社員間で共有しておきたいことの周知

③ ありがたいお話し(上司や店長などの偉い人から檄を飛ばされる)

④ ダメ出し(昨日の反省点など)

 

また、その淡々と行われる朝礼にさらにプラスして、これから始まる仕事に意欲的に取り組める工夫を取り入れている会社もあります。

 

多いのが、目標の発表。

「今日の目標は〇〇です。絶対に〇〇をします!」

 

あと行動や予定の発表。

「今日は〇時に〇〇様が来店されますのでお迎えよろしくお願いします」

「今日午後3時より大会議室で販促会議を行います」など・・

 

さらに声だし。

「いらっしゃいませ!」

「ありがとうございます!」

「またのお越しをお待ち致しております!」と大声で叫ぶ。

 

若い人が多い会社ほど叫んだり歌ったりはしないのですが、創業以来ずっと朝礼のスタイルを変えていないとかで「今どきこんな昭和な朝礼をしている会社あるんだなぁ」と感心する会社もあります。

 

歴史のある会社ほど、昔の習わしをそのまま継続してやることに意義を感じていらっしゃるのですが、社員が辟易して、朝礼が終わるとドッと疲れてしまって、朝からいいスタートを切れていない会社に出くわしました。

 

これが私が習わしの壁に穴を開けた会社です。

 

恐ろしいことに、全社員が、精神的にも時間的にも無駄だと感じている朝礼なのですが、社歴があるゆえに、誰も「この朝礼を止めましょう」とは言えなくて、上司も「俺が入社する前から続いているのに止めましょうなんて言える訳がない」って言うそうです。

 

確かに朝礼そのものに問題があるというより、そこに参加している人が適当にこなしていることが問題なんですが、例えば、社員手帳を見ながら社訓を全員で叫ぶ(大声で読む)

 

憶えているので手帳を観なくてもいいのですが、左手で手帳を持ち、少し左に首をかしげながら手帳を見ながら声を出すって入社時に教わるそうです。

 

他にも、毎朝社歌を歌う会社や、点呼?朝礼当番の人が前で「番号!」って叫ぶと、社員が「1、2、3・・・」って全員が頭数を叫ぶ会社もあります。

 

軍隊みたいです。



これらの儀式的な朝礼も、朝礼そのものには確かに歴史もあって、創業以来ずっと続けているのは素晴らしいことでもあるのですが「やるなら心を込めて全力でやって欲しい」というのが私の感想です。

 

創業以来、多くの先輩たちの残した功績、これまで築いてきてくれた社会的な信用、長年続く会社の風習も尊いものとして感謝し、この会社で働ける喜びを社員ひとり一人が感じていて、私達もその習わしを大切にしていくという決意があるなら、私はこの習わしを大切にするべきだと思います。

 

しかし、愛社精神のかけらも無いのに「やれと言われているからやる」っていう態度には、裏表を感じます。

 

裏表と表現しましたが、言い換えれば「自分に嘘をついている状態」と言いましょうか。

 

自分に嘘をついているのを知っていてそれを隠して行動すると段々自尊心が欠落してきます。つまり、本当はそうじゃないんだけどなぁって思いながら、そういう振りをして過ごさなければならないことに嫌気がさすんです。

 

社訓や社歌を全員で唱和し終わった後、ため息しか出ていないことにみんな気づいていないのです。

 

私は、そんな儀式のような朝礼を実施している会社だけではなく、他にもたくさんの会社や店舗にお邪魔しますので色んな朝礼を見せて頂いています。

 

さて、その私から皆さんに質問です。

 

朝礼に必要な要素を2つあげるとしたら何だと思いますか?



それは【意思の疎通を図ること】と、その時々に必要な【情報収集を行うこと】です。

 

だから一方通行の話が延々と続くような朝礼は時間の無駄です。はっきり言って誰も聞いていません。

 

話す人の自己満足です。

 

話した人が「どうだ!良い話だっただろう」って満足している気持ちのいい状態は、話している人のモチベーションは上がるかも知れませんが、聞いてる人は上がりません。

 

朝礼が終わった後、社員同士で「今日の社長の話、長かったよなぁ」ってひそひそ言われてしまいます。

 

儀礼的に行うなら「誰かが話す、それを聞く」の形でいいのでしょうが、朝礼を戦略的に効果のある朝礼にしようと思うのであれば、この形が最も良くない形です。

 

それでも「話さないと伝わらないじゃないか」と思っている社長がいらっしゃるのですが、話した内容が伝わらない、あるいは聞いている人のモチベーションが上がらないのは、朝礼で気持ちよく話をしている社長が悪いわけじゃないんです。

 

話し方、聞き方悪いのです。

 

話し方が悪いと、どんなにいい内容の話をしても伝わりません。

 

逆に聞き方が悪いと誰がどんなにいい話をしても心に響かないし、記憶に残らないつまらない話になってしまいます。

 

朝礼に必要なこと2点、【意思の疎通を図ること】と【情報収集を行うこと】が出来て初めて、モチベーションが上がります。

 

だから、上記2点の条件を満たした朝礼にするために、毎日必ず準備と工夫をするようにしてください。

 

自分がそこに当事者として加わっていないとモチベーションなんて上がらないんです。

 

しかも、そこに嘘があってはいけません。

 

誰もが建前でなく本音で話し、心から真剣に朝礼に参加しているから、その朝礼には価値があるんです。

 

自分たちの会社の朝礼をそういう視点で見てみると、「心にもないこと言ってるなぁ」って気づくと思います。

 

いま私が推奨する朝礼は、マインドフルネスを取り入れています。

 

いまここに意識を向けて朝礼に参加することはもちろん、呼吸を整えることで集中力を高めた状態を維持して仕事に取り掛かれます。

 

集中力が高い状態で人の話を聞くと、興味を持って聞くことが出来ます。その積極的に傾聴する姿勢が仕事への意欲につながります。

 

積極的傾聴の姿勢は、人の話す言葉や内容が他人事ではなく自分に関わることとして心に入ってくるので「俺には関係ない」とか「違う部署の話だ」などと考えることがなくなります。

 

さらに欲を言えば、互いに情報共有したり、質問をしたり、自分の意見を述べる時間があれば尚好です。

 

相手がどう思っているか?みんながどう考えているか?

そのことが明確になれば、組織内のコミュニケーションは格段に向上します。

 

しかし、朝礼では、意見交換が一番時間が掛かりますので、意見を言う時は挙手、或いは進行役が仕切りながら上手にみんなの意見を聞き出すようにしてください。

 

注意が必要なのは、他人の意見を否定しないこと。それは大切なルールです。

正しいとか間違っているとか、朝礼はそれを議論する場所ではありません。

 

そして最後に、一番大切なことかも知れませんが、気持ちよく一日を始められるように【笑顔で終わる朝礼】にして下さい。

 

皆さんも形式にこだわらず、変わることを恐れず、習わしの壁に風穴を開けて会社に新しい風が入るように工夫してください。

何ならお手伝いに行きます。

 

きっと、会社が活き活きと生まれ変わると思います。



漢仁